メールマガジン

2004-12-13 : 第38回 メコンプロジェクトの紹介 2 現地レポート

___________________________________
||))
||ヽヽ     ビーマップ メールマガジン 発行日:2004/12/13
||丿丿eMap
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆★☆
┃ 第38回 メコンプロジェクトの紹介(2)-現地レポート
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 今回は、メルマガ9月21日号でご紹介した、日本貿易振興機構 (JETRO) の
「先導的貿易投資環境整備実証事業(J-FRONT )」において受託した「日・タ
イ連携によるメコン流域における情報通信ネットワーク(携帯無線IP電話)の
規格整備ならびに構築実証事業」、通称メコンプロジェクトの現地における導
入状況について、担当の大谷英也がご説明いたします。

=======================================================================
●タイ国立メィファルアン大学の広大なキャンパスを無線LAN化し、
 無線IP電話に対応
=======================================================================

メコンプロジェクトの実証実験を行っているタイ北部のメィファルアン大学は、
ラオス、ミャンマーとの国境まで約50キロに位置しています。山全体がキャン
パスといえる広大な国立大学です。学生は約3,000人(70%が女生徒)で、授業
は全て英語で行われています。設立がビーマップと同じ 1998年という偶然に、
ちょっとした親近感を抱いています。現在日本人の留学生が一名(女生徒)お
ります。このプロジェクトでは、既存の学内ネットワークを大幅拡充し、無線
LAN 網と無線IP電話網を構築し、その実用性を検証しています。10月上旬に行
われた構築作業では、キャンパス内の各所にアクセスポイントとITセンターに
SIPサーバー、遠隔メンテナンス用監視サーバーを設置・インストールしました。
これによってキャンパスのほぼ全域で、パソコンでのデータ通信に加え、無線
IP電話での会話、多地点を結んだカンファレンスなどが行えるようになりまし
た。この大学の広さからすると、現時点では世界最大規模の無線IP電話の実稼
働環境と言えるかもしれません。今回持ち込んだ無線IP電話機は80台で、これ
を教職員55名、学生20名に配布し、導入トレーニングを経て学内生活に使って
もらっています(5台は予備)トライアルユーザー向けの導入トレーニングは、
大学のトンチャイIT学部長と私たちプロジェクトメンバーが共同で実施したの
ですが、トンチャイIT学部長も熱い思いをもたれているようで、予定の分担を
超えても、マイクを手放さないまま、このプロジェクトの詳細までご説明いた
だけました。
大学内には、すでに第二世代の携帯電話のアンテナがあり、携帯電話を使うこ
とができるため、IP電話を使っていただけるか心配していたのですが、料金が
無料であることとカンファレンスなどの使い勝手が上々のようで、ユーザーの
反応は総じて好評です。特に、広いキャンパスの中で職員を探す必要があるセ
クレタリーの方に非常に喜ばれております。

=======================================================================
●無線LANの広域化による周辺地域への展開
=======================================================================

タイについては比較的インフラが整っているので、無線LAN 設備の敷設に障害
は少ないのですが、周辺のメコン流域であるCLMV諸国に展開する場合には2つ
の課題があります。一つは点在する集落に設置するアクセスポイントと拠点の
ITセンターとをどう接続していくかという課題と、もう一つはアクセスポイン
トや端末への電力供給という課題です。これらは今回の J-FRONTの予算として
盛り込むことはできませんでしたが、このプロジェクトの趣旨に賛同いただい
た某通信事業者にFWA(Fixed Wireless Access)のシステムを供出いただく一
方、タイのMTEC(材料研究センター)と長野日本無線に太陽光発電・バッテリ
システムの提供をいただき、今月中旬より並行して課題解決のための検証を行
う予定です。

=======================================================================
●もうひとつのプロジェクトスコープ、
 情報インフラ整備を通した村おこしのサポート
=======================================================================

このチェンライ周辺の地域では、かつて麻薬(阿片)取引や人身売買に依存する
時期がありました。タイ政府はこうした闇経済からの脱却のため、王室が莫大な
私財を投じて観光業を立ち上げ、首相府が地場産業の育成のため、
OTOP(One Tambon, One Product. “一村一品運動”)を推進するなど、地域経
済の浮上と安定化に腐心しています。
ここメィファルアン大学(経営学部起業家育成学科)では陶器・織物・食品・木
工品の4事業を対象にOTOPを支援しています。実証事業の場所としてこの大学を
選定したのは、将来的にOTOPの事業と連携したアプリケーション・サービスを展
開する基盤として無線LAN ネットワークを活用していくことを予定しているため
です。この実証事業のもう一つの、というよりも本当の狙いは、タイ政府やメィ
ファルアン大学の方々と共同で、大学間での活用、OTOPのマーケティングや地域
住民への情報配信、位置情報を活用した物流システムの構築の手段として活用し
ていくためのアプリケーションを検討することにあります。
そういった意味では、メコンプロジェクトは近隣の村々の将来発展に大きく貢献
できる可能性を有しており、また政府や自治体などの公的機関からも期待を寄せ
られています。また、日本の政府・企業もメコン地域の開発には大きな関心を寄
せていますので、今回の実証事業の成果を活用することは当社にとっても大きな
チャンスだと思っております。

=======================================================================
●今後は
=======================================================================

今後は、現在の環境における通信状況やユーザーの使い勝手をリサーチし、実用
性を検証していくことになります。そして私たちビーマップは、無線LAN による
情報配信、画像・映像配信、位置情報などといった当社の技術資産を生かしてい
く将来のビジネス機会の種まきをしていきます。年明けには、今回の実証報告と
してメィファルアン大学にて周辺諸国からの参加者を交え、社長の杉野から今後
の青写真を説明する予定です。

(株)ビーマップ
新規事業開発室 大谷 英也


厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂

■「ビーマップメールマガジン」の著作権は(株)ビーマップが有します。
 新聞・雑誌および各種媒体への転載の際は、必ず(株)ビーマップに了解を得て
 ください。
■本メールマガジンに含まれる情報に関しては細心の注意を期しておりますが、
 その正確性、完全性、有用性について保証するものではありません。
■本メールマガジンは当社株式への投資を推奨するものではありません。
 売買等のご判断は、ご自身の自己責任において行われますようお願い致します。
■本メールは、等幅フォント(MSゴシック、Osaka-等幅)で最適にご覧いただ
 けます。
■メールには署名をお願い致します。お名前、フッタのないメールや内容によっ
 ては必ずしもご返答できませんので何卒ご了承くださいますようお願い致しま
 す。
■ご登録情報メールアドレスの変更・登録解除は以下のサイトからお願い致しま
 す。
 http://www.bemap.co.jp/ir/mailmagazine.html
■ビーマップメールマガジン
 発行/編集:株式会社ビーマップ
 tel:03-3919-3172 fax:03-3919-4435
 http://www.bemap.co.jp e-mail:mailto:ir@bemap.co.jp

厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂
一覧へ