株式会社ビーマップ

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Interview 01

勉強やスポーツと同じように、ゲームが得意な人にも光が当たる「多様性のある社会」へ

南海電鉄がeスポーツで挑戦する文化の創造、ビーマップが担う役割とは?

eスタジアム株式会社 代表取締役 中川和幸氏

コンピューターゲームを用いたスポーツ競技「eスポーツ」が、オリンピック正式種目への追加の可能性も出てくるなど注目を集める中、2021年7月、eスポーツを楽しめる専門施設「eスタジアムなんば Powered by NANKAI」(以下、eスタジアムなんば)が大阪・難波に誕生しました。
2022年末までに西日本を中心に5店舗を展開しており、各店舗にはビーマップの会員管理システム(※)が導入されています。

(※)「eスタジアム」に導入されているビーマップの会員管理システム

顔認証と体温検知が同時にできる端末を使用。

初回の来店時、お客さまの顔写真と会員情報を紐づけし、2回目以降の来店は、入口の液晶端末に顔を向けると「顔パス」で入場が可能。さらにクラウド管理により、eスタジアム全店舗で会員情報が共有されるため、登録した以外の店舗にも新たな登録なしで入場できる。

(※)「eスタジアム」に導入されているビーマップの会員管理システム

この「eスタジアム」を運営する「eスタジアム株式会社」は、実は南海電気鉄道株式会社(以下、南海電鉄)のグループ会社です。

なぜ今、鉄道会社である南海電鉄が「eスポーツ」に力を入れているのでしょうか?
また、どのような会員管理システムの開発をビーマップに依頼したのでしょうか?

eスタジアム株式会社代表取締役 中川和幸氏に話を伺いました。


地域に根付いた企業としてeスポーツで地域活性化を目指す

まずは、eスタジアム株式会社の成り立ちについて教えてください

南海電鉄では2019年から、未来を見据えた新規事業に力を入れています。そのひとつとしてeスポーツに着目し、2021年7月に「eスタジアムなんば Powered by NANKAI」を大阪にオープンしました。その後、eスポーツ事業をさらに本格化するべく、2022年6月から「eスタジアム株式会社」を始動させました。

南海電鉄はインフラ企業としての地域との強固なつながりや、関西での知名度を持っていることが強みです。古くは南海ホークスが沿線に野球文化を作ったように、令和の時代ではeスポーツで地域を盛り上げる役割を担いたいという思いから、力を入れて取り組んでいます。

eスタジアム株式会社 代表取締役 中川和幸氏

鉄道会社とeスポーツという組み合わせに意外性を感じます

ゲームを用いたスポーツ競技というと「目が悪くなりそう」、「中毒性が心配」、「不健康そう」といったネガティブなイメージをお持ちになる方もいらっしゃると思います。しかしそれは、ゲームという要素の、さらに一部分だけにフォーカスした捉え方であると考えています。eスポーツを文化として盛り上げるためには、そういったゲームに対するマイナスイメージを、eスポーツプレイヤーを目指す子どもの保護者の方だけでなく、企業や一般市民からも取り除くことが重要だと思います。

地域との結びつきが強い南海電鉄がeスポーツ事業をやっているということで、皆さまにもよりご安心いただければと思っています。


「あえてリアルでやる」ことから生まれるコミュニケーション

eスタジアムはネットカフェやゲームセンターとは異なるのでしょうか?

eスタジアムではゲームをする場所を提供するだけではなく、eスポーツを通じたコミュニケーションの発生も目的のひとつにしています。たとえばスタッフによる初心者への手厚いサポートや、必要に応じてお客さま同士の引き合わせも行います。

ビーマップさんの会員管理システムには、来店回数などの顧客情報を蓄積したり、スタッフ間で申し送りをしたりする機能があり、こういった特長的な店舗運営にも役立っています。

なぜコミュニケーションの発生を目的にしているのですか?

2022年8月にeスポーツキャンプという高校生向けのeスポーツ合宿を実施しました。専門の指導者を付けて、合宿の最後には大会をやるというものです。北は北海道、南は九州まで、全国から44名が集まりました。

eスポーツはもちろんオンラインでもできるのですが、オンラインの場合、ボイスチャットで「なにやってるんだ!」「違うだろ!」など、否定的な言葉が口をつく傾向があります。しかし、リアルだと「ごめん」「ドンマイ!」という言葉に変わり、さらにはグータッチを交わして「やったな」「よし!」といったプラスの言葉がたくさん出るようになるんです。

参加者全員、誰ひとりとして知り合いがいない中での参加でしたが、3泊4日の日程を終えるころには仲間ができ、喜びあっている姿が見られました。
これこそが我々が文化として「チームワーク」を大切にするスポーツを育てていきたい状況だと強く感じました。

あえてリアルでやったからこそ、絆が生まれたわけですね

オンラインでもできるものをあえてリアルでやることで、人間味やコミュニケーションが生まれます。
そこに価値があるのではないでしょうか。


ビーマップならオンラインとオフラインをつなげられる

では、eスタジアム社の事業にビーマップはどのように関わっているのでしょうか?

今回は、店舗の会員管理システムを構築していただきました。

新しい文化であるeスポーツに合わせて新しい技術を取り入れたいと思い、顔認証で入場できるようにしました。
ビーマップさんにとっても一部初めての機能があったようですが、粘り強く取り組んでくださり、しっかりと運用できるシステムを作っていただいて感謝しています。

「顔パス」入場できるユニークな会員管理システムですが、反響などはありますか?

テクノロジーがあって当たり前という世代のお客さまが多い中、「すごい!」と大騒ぎになることこそありませんが、逆に「何コレ?」ともならず、違和感なくスムーズに使われていますね。時代になじんだシステムにできたと思います。

そもそもなぜ今回、ビーマップに依頼することになったのでしょうか?

以前からビーマップの杉野社長とは交流があり、ユニークなご提案をたくさんいただいていました。eスポーツという新しいことに取り組むわけですから、ごく自然な流れで杉野社長にお声がけさせていただきました。

eスポーツとビーマップも、繋がりにくいように感じますが

eスポーツである以上、将来的には、オンライン会員をオフライン店舗でも同一人物として認識するなど、オンラインとオフラインを繋いでいく必要があると思います。

オンラインとオフラインをつなげることに実績(※)があるビーマップさんなら、将来的にそういったことも実現できると思い、お声がけしました。迅速かつ、とてもリーズナブルにご対応いただき、ありがたい限りです。

(※)ビーマップは、テレビやラジオ・WEBサイト・店舗の3つを関連させたO2O2O(Onair to Online to Offline)マーケティングにおいて多くの企業での起用実績を持つ


ビーマップは「お客様目線」を全員が持っている

ビーマップは「お客様目線」を全員が持っている

ビーマップの印象についてお聞かせください

杉野社長は「ビーマップは硬い会社」とおっしゃいます。たしかに通信インフラ、大手企業の裏方として、硬い、きっちりとした会社という印象もあります。
その一方で、オンライン、オフラインをつなげた施策など、集客にまで尽力してくださる点に強さと柔軟さを感じています。

システムインテグレーターが集客まで考えるのは珍しいのでしょうか

ITに限らずですが、モノづくりって「作って終わり」になりがちですよね。
しかし、ビーマップさんは「その先」を常に考えている印象です。“ビーマップイズム”とでも言いましょうか。社長を筆頭に全ての社員の皆さんが、エンドユーザーの利便性を第一に考えていると感じます。そこが素晴らしいですね。

「その先」の一つが「集客」であり「エンドユーザーの利便性」なんですね

実は今回の会員管理システムも、仕様が固まりかかったときに、現場から変更してほしいという声が上がりました。大掛かりな仕様変更になったのですが、「お客様目線で考えるとそうですよね」と嫌な顔せず対応してくださいました。
ビーマップさんに依頼してよかったなと思った瞬間でもあります。フレキシブルに対応してくださるのは心強いですね。


勉強やスポーツと同じように、ゲームが得意な人にも光が当たる「多様性のある社会」へ

それでは、eスタジアムの今後の展望について教えてください

eスポーツは今後、オリンピックの競技になる可能性も話題になっていますので、「eスタジアム」からスタープレイヤーを輩出できたら最高ですね。
野球でいうと東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手が子どものころに練習していたグラウンドが聖地になっていると聞きますが、なんばがeスポーツの聖地になったらうれしいです。

また、「eスポーツキャンプ」の事例のように、たとえば引きこもりのお子さんやその保護者の方にとって、eスタジアムが居場所として選択肢のひとつになればとも考えています。

学校に行けないけど、eスタジアムではコミュニケーションが取れるとなれば心強いですね

昭和の時代は、勉強かスポーツができないと評価されづらい風潮がありましたよね。
ですが、いまは多様性の時代です。勉強やスポーツは苦手だがゲームが得意だという人たちにも光が当たってほしいと思います。
eスタジアムは、子どもたちが持っている様々な才能を見つけるお手伝いをしたり、あるいは、それらの才能をさらに輝かせたりすることができる場でありたいです。

eスポーツは、基本的にはチーム戦略が不可欠な団体戦です。チームのために考え、行動するという行為は、社会に出てからも必ず役に立ちます。

保護者の方に「eスポーツを子どもにやらせたい」と思ってもらえるように今後も取り組んでいきたいですね。

最後に、今後のビーマップとの取り組みについてもお聞かせいただけますか?

今はまだお客さまの情報と来店履歴等を対象とした会員管理システムのみですが、今後はeスポーツ事業全体に枠を広げてご支援いただきたいとも考えています。

たとえば、学校の部活動でeスタジアムを活動拠点として利用している例もあります。
当初は部活動に使っていただけると予想していなかったので、現状はお客さま同士をグループとして認識する機能はありません。

もし今後、部活動での利用が盛んになれば、拡張機能として実装するのも面白そうですよね。グループ用のSNSや、顧問の先生用の画面があると便利かもしれません。

eスタジアムとの取組みを通じて、ビーマップさんにとってもeスポーツが身近になればうれしいです!

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