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Interview 03

打席に立たなければヒットもホームランも生まれない

ユニークなイベントで話題のスーパーマーケット・ベルクがビーマップとともに挑む小売業の未来

株式会社ベルク 代表取締役社長 原島一誠氏

埼玉県や千葉県を中心に展開し、地元住民から愛される地域密着型のスーパーマーケット、「ベルク」。
近年、スーパーマーケットとしては異色ともいえる斬新な販促・集客企画が多くのメディアに取り上げられ、注目を集めています。

実はこれらの企画の多くを支えたのが、ビーマップと、その子会社である株式会社MMSマーケティングです。

(※)これまでにベルクで実施された、ビーマップ・MMSマーケティング協力による販促施策例

なぜ、食品や日用品を扱うスーパーマーケットが、あえてチャレンジングな企画を行うようになったのでしょうか?
そして、なぜこれらの取り組みがIT企業であるビーマップとの間で生まれたのでしょうか?
株式会社ベルク代表取締役社長 原島一誠氏にお話を伺いました。


「他にないものをやろうよ!」という思いを持って仕事をしています。

「ベルク」といえばユニークなイベントが話題になっていますが、ビーマップが企画・提案したものも多いとか。どういったきっかけで、このタッグが始まったのでしょうか?

通常、スーパーマーケットで行う販促企画は、メーカーさんから持ち込まれることが多いです。そのため必然的に、商品を使っていて、当たり障りのない企画が多くなります。たとえば「○○を使った料理教室」のようなものが代表的ですね。
加えて「スーパーマーケットは食べ物を扱っているのだから、食べ物関係でなければいけない」みたいな不文律もありました。

でも、それって我々が勝手に信じていることで、本当はもっと違うアプローチのほうが、お客さまは喜んでくれるのではないか?と考えて、何かできないかビーマップの杉野社長に相談したのが最初です。

ビーマップの企画は、どういった点が面白いと思われますか?

小売業でもメーカーでもないビーマップさんからの提案は、スーパーマーケットの事業から遠いものが提案されてくるのが、意外性があって面白いですね。
小売業のイベントや販促は、失敗を恐れるあまり、他社や過去に成功例のある、いわゆる“前例主義”に陥りがちです。でも、私は前例主義が嫌いなんですよ。それは杉野社長とも通じるものがあって、お互い「他にないものをやろうよ!」という思いを持って仕事をしています。


まずアイデアがあってこそのデジタルなのだと実感しました。

では、その「前例なき企画」の中でも、特に印象深い企画を教えてください。

やはり忘れられないのは「霊視体験」※ですね。

私の妻は占い好きなのですが、彼女はまさに世代・性別ともに「スーパーマーケットのお客さま層」と合致します。ビーマップさんから提案を受けたとき、「もしかしたら占いはお客さまに刺さるのではないか?」と思ったのが、企画をスタートしたきっかけでした。

※霊視体験・・・「ベルク全店対象 レシート画像を送って当たる霊視体験ご招待または商品券プレゼントキャンペーン」

ベルクで3,000円以上購入したレシートの画像をベルクのアプリから登録すると、生き霊霊視芸人・シークエンスはやともによる霊視を体験できるイベントの参加権が当たる販促施策。2020年実施。

「霊視体験」は最初のコラボですよね。それまで、ビーマップに対してはどのようなイメージをお持ちでしたか?

杉野社長とは知り合いでしたが、一緒に仕事をしたことはなかったので、「お堅いIT企業」というイメージでした。当社は小売業ですから、「IT企業のビーマップさんは、デジタルマーケティングの領域ではベルクの2歩も3歩も先を行っているのだろう」と漠然と思っていました。

では、それらの「お堅い企業」「デジタル領域で先を行っている」というイメージは、一緒にお仕事をされた後、なにか変化がありましたか?

そうですね、とくに驚いたのはスピード感です。お堅い企業といえば、意思決定にかかる時間が長いイメージがあったのですが、ビーマップさんは起案してから実現までのスピードがとにかく速い。「霊視体験」の企画も、最初に話が出てから3週間後には店頭で告知をしていました。

一般的には、広告代理店に発注して、企画が出てきて、社内で稟議を通して……となると実施は3か月後なんてスケジュール感も珍しくないですよね。

そうなんです。小売業はスピード勝負なところがありますから、その点はとてもありがたかったです。

また、ビーマップさんと企画を詰める中で、デジタルはアイデアを肉付けするための手段であって、まずアイデアがあってこそのデジタルなのだと実感しました。
小売業界では「とにかくこれからの時代はデジタルで何かしなければ」という課題感だけがあったので、大きな気づきでした。


「打席に立たなければヒットもホームランも生まれない」がベルクイズムに

株式会社ベルク 代表取締役社長 原島一誠氏

ビーマップとのユニークな取り組みを始めたことで、ベルクとして何か変化はありましたか?

そうですね、ひとつは、私自身が変わりました。

以前は、一発必中、やるからには必ずヒットかホームランを打たなければいけないという気持ちがあったのですが、今は、どれだけ打席に立ったかということも重要だと実感しています。たとえば販促イベントなら、無難な企画をやりきることにこだわらず、たくさん色々な企画をやって、成功にせよ失敗にせよ傾向を掴んでみるのもいいと思うようになりました。

こういった考え方は、販促イベントに限らず、「ベルクイズム」として浸透してきている気がします。

たしかに、ベルクは商品やSNSも、全体的にユニークで挑戦的なイメージがあります。

失敗してもいいという土壌ができたのだと思います。
そういう中で「ベルクのマーケティング部が面白いことをやっているらしい」という情報が発信されると、別の部署の社員がそれを見たり、あるいは社外の友人やお取引先から「ベルクの企画、またバズってたね」と言われたりして、良い刺激になっているんです。

自分の会社でやっているチャレンジが好意的に受け取られていると「よし、自分も何かやってみよう!」という気持ちになりますよね。社長である私が、「みんな、クリエイティブになろう!」「チャレンジしよう!」と言葉で伝えるより100倍、1000倍効果があると思います。
だからこそ私は先頭に立って、自分が一番おかしなことをしてやろう! という気持ちでいます。


リアル店舗が生きる道は、「そこでしかできない」サービスの提供にもあった

ちなみにビーマップとの企画は、スーパーマーケットとしてはかなりチャレンジングなものが多いですが、打率はいかがでしょうか?

ビーマップさんの企画はヒット率が高いですよ。野球界なら殿堂入り確実の名バッターですね。
ヒット企画という場合、売上が伸びた・初めて来店するきっかけを作ったなどの指標があると思いますが、ビーマップさんの企画では後者の結果がはっきりと出ます。

スーパーマーケットの販促は現在もチラシがメインです。だからこそ、チラシを見ない層にリーチできて、しかも彼らに響くのがビーマップさんの販促の強みだと思います。

メインの主婦層を奪い合う販促ではなく、ブルーオーシャンの層に訴えかけるということでしょうか。

そうですね。たとえば声優の内田雄馬さんを起用したキャンペーン※では、これまでベルクの前を素通りしていたであろう学生のお客さまが見るからに増えました。SNSで情報をキャッチして、店内放送を聴くためにわざわざ来店してくれていたんです。店内放送で「来た人を楽しませよう」という発想は以前からありましたが、「来店動機」になるとは思っていませんでした。

※声優の内田雄馬さんを起用したキャンペーン・・・「2021年ベルク直輸入クリスマススパークリングワインキャンペーン」

2021年12月2日~25日のキャンペーン期間中、ベルク店内でベルク専属ソムリエの「大田崎慎也」がワインをお勧めする音声を放送。キャラクターボイスに人気声優の内田雄馬氏を起用し、SNS上を中心に大きな話題となった。

しかし、そういった「狭い」層にあえてリーチさせる販促は、思いついてもなかなか実行できないように思います。なぜ売上以外がゴールになる企画に踏み切れたのでしょうか?

サービスを提供する場としてのゴールと、小売業としてのゴールは違って然るべきで、必ずしも合致させる必要はないと思っています。「買え、買え」と押し付けすぎると、生生しくなって消費者は離れてしまいますから。ただ、ベルクも少し前まではそういった風潮がありました。
「とりあえず遊びに来て」という考え方になったのは、とにかくお客さまを楽しませたいというビーマップさんの企画から影響を受けた部分が大きいですね。


デジタル世界や海外への挑戦も、ビーマップとともに

株式会社ベルク 代表取締役社長 原島一誠氏

今後のビーマップとの取り組みについてもお聞かせいただけますか?

これまでのような販促企画はもちろんですが、ビーマップさんのテクノロジー分野での強みを生かしたデジタルマーケティングでもコラボできればと考えています。
今後の私自身の夢として、未出店のエリアにも「ベルク」の名前を届けたい、商品を販売したいと思っています。
いずれはECサイトとデジタルマーケティングを駆使して、関東圏以外の全国、さらには世界にも進出したいです。

世界進出のためにもタッグは必要不可欠?

ビーマップさんからは販促手法も学んでいますし、その中でベルクの社風も変わったと思います。マーケティング部も、ビーマップさんとの取り組みが始まってからは確実にアイデアの幅が広がりました。
同質化競争に陥っていると思われがちなスーパーマーケットの世界ですが、まだまだお客さまを呼ぶ努力の余地はある、見方によってはブルーオーシャンだということに気づかせてくれました。

これからもIT企業として、小売業とは全然違った視点やアイデアで驚かせてほしいと思います。
末永くお付き合いしていきたいですね。

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